Let's act against spam mails!

スパムメールが大量に届くようになってきた。「スパムの数は魂の価値」などとうそぶいていた私だが、実際に送られてくると不愉快極まりない。何とかして一矢報いたいと思った私だが、送信元の人物は風俗関係の人物である可能性が高いことや、そもそもこういう社会の影的な商売をする人間は、あまりガラのよい人間ではないだろう。下手に報復すると頬に十字傷のお兄様が我が家に大挙押し寄せてこないとも限らない。
が、あまりに悔しいので何か報復手段はないかと考えていたが、そのときにある友人がとった行動を思い出した。
友人はある日、まったく珍しくもない、普通のスパムを受け取ったそうだ。
「人妻の○○です。最近夫が出張ばかりでさびしい思いをしています。割り切って遊んでくれる方いませんか?」
……こんな内容だったらしい。


普通はパソの向こうでキモオタが悪臭を放ちながらこのメールを送ってきた様子を想像し、すぐに捨ててしまうか、あるいはメールはフィルタにかかったままあなたは気づきもしないだろう。だが彼は、このときに恐ろしい行動をとったのだ。
「メールを受け取りました。奥さん。あんたはバカです。もっと自分を大切になさい。旦那さんと何で結婚したんですか? 好きだからでしょ? ちょっとやそっと出張されたからってあんたは他の男と遊んでいいと思ってるの? (中略) ……というわけだから考え直しなさい。」


そう。彼はマジで返事を書いたのだ。
彼はあまりタイピングが速いほうではないが、それでも20分は書いたというから、相当な量になっただろう。そして、送信したらしい。さぞやいい暇つぶしであったことだろう。


そして次の日に、「奥様」から返事が返ってきたらしい。奥様は執拗に会うことを強要してきたという。彼はその文面から「奥様」を感じることはできなかったらしく、どこか男の文章に思えたという。しかも、どうやら文章に慣れていない、ドロップアウト気味の文章に見えた、とも彼は言った。スパムの向こうとは、そんなものなのだろう。
メールみのもんたと化した彼は次々に返事を送った。詳しい内容までは聞かなかったが、2〜3回やり取りしたころに彼が飽き、来たメールを放置していた。すると向こうは、「メールもう送ってくれないんですか。さびしいです」という言葉を最後に、連絡を絶ったということだ。
向こうにしてみれば「カモだ」と思い、手間をかけてまで返信したのだ。引っかからないやつだと判断するまで書いた文章の労力は完全にパーだ。これを何人もやられたらあがったりだろう。


スパムに対抗する手段。それは彼らをおもちゃに楽しんでみることも、あるいは有益な手なのかもしれない。
いや、向こうが自動送信オンリーだったらまるで効果ないんだけどさ。