Andante

以前使っていたレンタル日記のアカウントを見に行ったところ、まだ生きていました。ほぼ1年放置しているのによく消されないものです。ついでですのでそのまま300日ほど前の私を見てきました。
数日前の日記で、生体の分子は日々入れ替わり、1年もすれば細胞は全て入れ替わっているなんていう話をしたと思います。物質的に完全に置き換わってしまっても私がまだ私なのは、「私」という意味があるから。物質に依存しない「私」があるから。
「私が何十年後に死んでも私がいたという事実は揺らぎません」。……こう言ってしまうと「私」というか、人の存在は頑として動かない強固なもののように思えますが、それは以前の日記を読んで勘違いであることに気づきました。
300日前の私は就職も決まってなければ、あの娘にフラれてもいません。そういう歴史を重ねていないことで考え方も多少楽観的に見えます。たった300日で人間は内面からして換わっているのです。進化しているか退化しているかは分かりませんがw
赤血球は細胞としての寿命が比較的長くて、150日ぐらい生きるとか聞いたことがありますが、150日だってどこか変化するには十分でしょう。1年で分子が入れ替わって……と「存在」の確かさを訴えてみましたが、細胞1個が生まれて死ぬまでにその存在やらは変わるらしいぞ。
人間が変わるのに、膨大な時間はいりません。300日だけでいいのです。
そして、自分には人に見せられないダメ人間部位があります。とてもたくさん。でも、300日でそれをひとつずつ治していけるとしたら……いつかとてもステキ人間になれるのではないかな、なんて思った22歳の秋。